鹿児島合気道錬成館

2012.9
2012年9月30日(日)。

「金木犀」

この頃、街や郊外をバイクで走ると何処からともなく、良い香りが漂ってくる。
芳香の元を目で追いかけると、緑の葉の間からオレンジ色の小さな花が密生している木を見つける。
そうだ、「キンモクセイ」の季節なんだ。
と、ふと走るスピードを緩める。
時折、白っぽい色の花が咲く「ギンモクセイ」を見かけるが、こちらの方は「キンモクセイ」ほど香りは強くないように思う。
モクセイの花が咲く頃になれば、こんなに多く植栽されているのかと思う。春の桜の木の多さにも驚くが…。
20代の時分に、良い香りだ、良い季節になったと友人たちと話していたら、その中の一人が「ピコレットの匂いだ!」といった女性がいた。
トイレの芳香剤の香りは、四季を問わず得られるが、自然の香りの恵みは“旬”があるのを、その時改めて思った。
春は薫風。初夏はクチナシの花。秋は金木犀。冬は梅の花。
季節は巡る。人の歳月もまた。

本日は、基本技各種。正面打ち一教~四教・入り身投げ・小手返し
片手取り内回転投げ・外回転投げ・四方投げ等を主に稽古しました。
























2012年9月26日(水)。

「力耕不吾欺」

郊外をクルマで走ると黄金色の絨毯に出会う。
稲穂の美しく輝く頃となった。実りの秋だ。
ふと思い浮かべるのが「力耕不吾欺」という中国の詩の一節。
「力耕(りきこう)吾(われ)を欺かず」である。
(田畑を力を込めて耕せば、その田畑の実りは耕した自分を欺かない)という。
何事も一生懸命に働けば、必ず豊かな実りとなって結果が返ってくる。
私たちの合気道も「力耕不吾欺」。
日々の稽古の一生懸命の積み重ねが、自分自身の技量を進化させる。結果となって現れる。
稲の刈り入れも、そろそろ始まるだろう。
今年の作柄は確か「良」だった。
台風の進路も気になるこの頃である。

本日は片手取りの各種技。二教・呼吸投げ・入り身投げ・四方投げ・内回転投げ・外回転投げ等を稽古しました。























2012年9月23日(日)。

「黄葉近く」

銀杏の実が落ちている。
公園や街路樹の近くに、あの独特の臭いとともに…。
もうそんな季節かと朝晩の冷気を感じながら想う。
臭いからは想像できない白い殻の中から現れる鮮やかな翡翠色の実(仁)は、煎って食するとほろ苦く酒の肴にはなかなか美味なものである。
銀杏は古生代から生き残っている樹木で“生きた化石”と呼ばれる。
古くから食用・薬用として役立ってきた。
材は碁盤や将棋盤,、そしてまな板にも良く使われるという。
実も木も重宝する銀杏。
もうひとつ忘れてならないのが黄葉。
朝日に、晴天を背景に、そして夕日に…。
風に舞い散るも良し。絨毯のようにふんわり積もって良し。
黄葉を求める旅も良い。

本日は、正面打ち一教・入り身投げ。片手取り四方投げ。
座技呼吸法など基本技を主に稽古しました。






















2012年9月19日(水)。

「運動会の頃」

渋谷駅のハチ公の近くに、小さな居酒屋がある。
かつて勤めていたデザイン会社の先輩に紹介された店である。
「君は確か鹿児島の出身だったね。それなら良い店を紹介してあげよう」ということで、紹介された後は、一人で通うことが多くなった。
通い始めて数年経った頃、店も終わって帰ろうとしたら「前から思っていたんですけど、ひょっとして平岡先輩…!?。キャップテンじゃないですか?」どうして私の名前を…。と思ったら何のことはない同じ中学で同じ部活の一年後輩。卒業してから20年近く経っていたので全く覚えていなかったのである。
運動会は黄組(きいぐん)だったですね。
家も近所だったのだ。
今はどうだか解らないが、私たちの頃は地区毎に鉢巻の色が違って地区別の対抗戦だった。
隣近所の人が、ゴザやムシロを敷いて、昼飯はそれぞれの家の重箱を分け合って食べたものだった。
運動会の予行練習(演習)の音楽や、子供たちの歓声が聞こえるこの頃である。
中学の時の、あの黄色い鉢巻。そして小林師範ともご一緒した渋谷の店を、秋の今頃になると思い出す。

本日は肩取り面打ちの各種技。一教・四方投げ・小手返し・入り身投げ。
横面打ち四方投げなどを主に稽古しました。





















2012年9月12日(水)。

「里の秋」

小さな頃から不思議に思っていたのが♪♪静かな静かな里の秋 お背戸(せど)に木の実の落ちる夜はあぁ母さんとただ二人 栗の実煮てます 囲炉裏端…。♪
「里の秋」には何故、お父さんが出てこないのか?
お背戸って何?ということ。
お背戸は調べてみると、家の裏庭とか裏門、裏の方という意味だった。
そして、お父さんはどこにいるのかというと、時代背景があった。
もともとこの歌は昭和16年。
「星月夜」という題名で、出征兵士の父を想う母子の歌だった。
戦後、外地からの復員兵や民間人などを励ます為に
NHKが特別番組を放送することになり作曲家がそれに相応しい作詞を探し、題名を変えて生まれたのが「里の秋」だった。
1番・2番の作詞はそのままに3番を変えて放送したが放送直後、聴取者から問い合わせ・感謝や感動の声が殺到したという。
平成19年。「日本の歌百選」に選ばれた「里の秋」。
長閑で郷愁を誘う歌の“お背戸”には平和の有難さも教えてくれている。

本日は、横面打ちの各種技。一教・二教・小手返し・入り身投げ・自由技などを主に稽古しました。




















2012年9月9日(日)。

「月見の頃」

駿河(静岡)の鞠子(丸子)の宿といえば東海道五十三次の一番小さな宿(しゅく)であったという。
そして有名なのが名物のとろろ汁。
旅人の長い道中の疲れを癒し、とろろ汁を食して精をつけたといわれている。
20代半ばの頃、伺ったのは“待月楼”という料亭。
とろろ汁が美味しかったのは勿論だが庭の手水鉢が気になったので店主に尋ねてみると「あれは仲秋の名月の時。この部屋から水面に映る月が見えるように置いてあります」との事。確か店名もそれに因んだものと説明されたように思う。
一夜限りの月を愛でる風流。
贅とはこういうものかも知れない。
美しい自然の移ろいを楽しみ、豊饒な精神を育むこと。
武道も強い、弱いを超えた何かがあるように思う。
今年の名月も近い。
冷涼の秋、稽古も進む。

本日は、両手取りの各種技。二教・入り身投げ・呼吸投げ・四方投げ・自由技等を稽古しました。



















2012年9月5日(水)。

「白露の頃」

朝起きて、庭先の草花を眺める。
朝露が光っている。
9月7日は二十四節気のひとつ「白露」である。
昼間の暑さに比べると、早朝の秋の涼しさがひと際、心地よい。
どこかで、虫の声がする。
バイオリンのピッツィカートが頭で踊り出す。
まだ眠り足りない身体に、伸びをして活を入れる。
さぁ、今日も一日頑張ろうと思う。
錬成大会の準備もそろそろ始めよう。
錬成館の仲間も増えた。
これまでより、さらに盛り上がる大会になりそうだ。
―先ずは、稽古の充実。

本日は、後ろ両手首取りの各種技。二教・小手返し・入り身投げ・呼吸投げ・腰投げ等を稽古しました。



















2012年9月2日(日)。

「苦・楽」

合気道は人と競う武道ではない。
自分の身体と心の健康を育むことが基本である。
とは云え、自分を大切にするあまり適当に“稽古を流す”だけでは何も得るものは無いように思う。
汗も出る。疲れる。技を上手く出来ないもどかしさもあったりする。
相手のペースに合わせなければならない時もある。
そんな時、少し頑張ってみる。
苦しいことを、少し楽しんでみる。
その小さな積み重ねが、合気道の上達だったりする。
人の身体は、楽をさせればさせるほど弱り、動かなくなる。
自分の中で、苦楽を共にする工夫。

本日は、正面打ち一教~四教。片手取り四方投げ・入り身投げ・小手返し・自由技を主に稽古しました。